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蝶と人と 美しかったアフガニスタン

「蝶と人と 美しかったアフガニスタン」 尾本 恵市 朝日新聞出版
蝶と人と
 人類学者の著者は、60年前に世界有数の蝶コレクターと一緒にアフガニスタンに蝶の採集に行きます。その時の様子が詳しく書かれています。珍しい蝶の採集のために高地へと向かのですが、現地でスタッフを雇用し、いくつもの高地を通り過ぎ目的地へと向かいます。移動には自動車も利用していますが、馬などで移動する場合も多かったようです。行く先々で蝶のだけでなく蛾の採集も行っています。この本の中にはそれらの写真だけでなく、雪を被った高山などの自然写真も多く掲載されています。
 後にアフガニスタンは長い戦争が起こります。最近では、タリバンが支配するようになり、女性の自由が奪われていることが報道されています。
 アフガニスタンはシルクロードが通っていて、昔から多くの文化や宗教が伝えられています。また、多民族国家でもあって、さまざまな人種が住んでいます。
 著者は蝶の採集だけでなく、空いた時間には川釣りもしています。現地の人たちは魚を食べることがないので多く釣れていました。釣った魚は食べていました。
 途中でバーミヤンの仏教遺跡も訪れています。当時でも、仏道の破壊があったようですが、後にはイスラムの過激派が爆破したりもしています。多様な宗教を認めるのでなく、信じる宗教以外は誤りであるとしているのです。
 旅を助けてくれた地元の人たちは結婚していても、旅人の前に顔を見せるのは男性だけです。女性は決して顔を見せなかったようです。
 この本には、蝶だけでなく自然の写真も多く60年前のアフガニスタンの様子が伺えました。
 現代のアフガニスタンのニュースを聞くことがあるのですが、女性をはじめとする自由を奪われた暮らしに心を痛めることが多くあります。
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