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一遍上人絵伝

「一遍上人絵伝」 日本絵巻大成  中央公論社

一遍上人絵伝

 毎年、1月2日から3日にかけて箱根駅伝が開催されます。三区は戸塚中継所から、平塚中継所までです。スタートしてすぐに遊行寺坂を通ります。その「遊行寺」という名前から、一遍上人の時宗をいつも思い浮かべていました。この絵伝は、一遍上人の遊行の様子を文字と絵で記録したもので、鎌倉中期の民衆の様子が分かる貴重な資料です。文字は毛筆で書かれていて読みにくいですが、同じ文が活字でもあり解釈まで付いているので古文書の読めない身には助かります。
 さて、一遍は全国を巡って行きますが、寺院だけではなく神社にも参拝しています。那智大社で霊感をえて、全国を巡ってお札を配ることを思い立ちました。そこで、全国のいろいろな場所で、「踊る念仏」興行を行いました。大イベントですから、地域の人びとが熱中しました。表紙では、舞台の上で僧侶が踊り、その周りを民衆がとりまいています。牛車に乗った貴人達も集まってきています。熱狂している様子が分かります。
 この絵巻には、一遍の一行の様子だけでなく、庶民の暮らしぶりも描かれています。寺院の周りには貧しい人びとの集団が描かれ、物乞いの様子が分かります。その人びとの周りには犬も描かれています。人間と一緒に生きているのです。 
 以前に、読んだ時に「猫」が一カ所にだけ描かれていたように思ったので探してみました。猫は、源氏物語では柏木が好きな相手の猫を手にして大切にしている場面がありましたから、鎌倉中期にはいたはずです。丁寧にページをめくっていきましたが見当たりません。その代わり、犬は至る所に描かれています。親犬、子犬、子どもと遊ぶ犬など様々です。犬はそこら中で人間と暮らしていましたが、猫は高貴な人の屋敷の中にいたのでしょうか。
 他にも、武士が乗った馬、荷物を運ぶ牛、高野山の奥の院の鹿、鵜飼いの鵜、鷹、鶏、鴫、白鷺、白鳥、烏などが描かれています。庶民の生活振りが描かれていて民俗学的にも貴重な資料です。民家の横には、犬の親子。手前には馬がいます。

一遍上人絵伝 動物

 
 
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