希望の一滴 中村哲、アフガン最期の言葉
「希望の一滴 中村哲、アフガン最期の言葉」中村 哲 西日本新聞社
2019年、アフガニスタンで医師・中村哲さんは襲撃されて亡くなりました。
この本では、中村さんが戦乱の続くアフガニスタンでどのように医療や灌漑事業に携わってきたかが書かれています。
アフガニスタンには、長い間タリバンやイスラム国などの勢力を掃討するために外国の軍隊が入ってきていました。このこともあって、多くの住民が難民としてパキスタンなどに避難していました。アフガニスタンは、もともと農業国で自給自足的な生活を続けてきました。灌漑事業を行って、水が行き渡ると砂漠のようであった土地も農地に変わっていきます。地元の人を雇用し地域にあった灌漑工事を進めていきます。地元の人々は、工事に携わりながら技術を習得できます。自分たちの農地を守っていく担い手になっていくのです。
他者を受け入れることがなかった村も、灌漑工事で農地がよみがえっていくのを見て、自分たちの村にも灌漑工事を行って欲しいと申し出ます。これを快く受け入れ工事を進めて農地を回復させていきます。
国が行う支援は、搾取などがあって広く行き渡りません。しかし、灌漑工事によって農地がよみがえれば、難民となっていた人々も戻ってきます。このような地道な取り組みが、人々を安定した生活ができることにつながっていくことを示していたように思えました。
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